札幌市の下水道使用料は、2026年10月1日以降の使用分から新しい料金になります。ただし、請求は原則として2か月に1回なので、実際に新料金で請求されるのは、偶数月検針の人が12月検針分から、奇数月検針の人が1月検針分からです。市が例示している標準的な世帯では、水道料金を含む2か月の支払いが、1人世帯(16㎥)で330円増、4人世帯(46㎥)で922円増となっています(いずれも税込、2026年9月時点の札幌市の発表)。
見出しにある「平均22.6%」は、下水道使用料の収入全体に対する平均の改定率です。家庭の2か月の支払い総額(水道料金を含む)が22.6%上がるという意味ではありません。市の世帯の例では、支払い総額の増加率は+7.5〜7.8%で、水道料金は変わりません。
新料金はいつから、請求書に出るのはいつか
札幌市下水道河川局の下水道使用料改定のお知らせ(2026年8月4日更新)のQ&Aには、新料金の適用は2026年(令和8年)10月1日以降の使用料からと書かれています。同じQ&Aには、次の経過措置も書かれています。
| 検針の月 | 新料金になる検針分 |
|---|---|
| 偶数月検針の人 | 12月検針分から |
| 奇数月検針の人 | 1月検針分から |
| 10/1以降に転入して使い始めた人など(経過措置の対象外) | 10月検針分や11月検針分でも新料金 |
市は、原則として検針は2か月に1回、2か月分の料金をまとめて請求しているため、改定日前からの使用期間は、経過措置として現行料金で計算すると説明しています。請求書に新料金が出るのは12月または1月の検針分からで、10月の請求書からではありません。
「平均22.6%」は使用料収入全体の平均改定率
市のお知らせによると、下水道使用料は平成9年(1997年)以来、約30年間据え置かれてきました。令和8年(2026年)10月から、下水道使用料を平均22.6%改定します。この数字の根拠として、市は次の計算を示しています。
- 改定の使用料算定期間は、令和8年度(2026年度)から令和11年度(2029年度)の4年間
- この期間で「収支の均衡」と「経費回収率100%」を達成するには、不足額が最大になる令和11年度に、汚水処理経費約227億円を使用料収入でまかなう必要がある
- そのために約42億円の収入増が必要で、4,173百万円(令和11年度の不足額)÷18,506百万円(令和11年度の使用料収入)×100=22.6%
22.6%は、こうして出した使用料収入全体の平均です。個々の世帯の下水道料金が22.6%上がるとは、市は書いていません。また、市のQ&Aには、今回の改定は下水道使用料のみで、水道料金は変わらないと書かれています。
単価表: 基本使用料は600円から750円へ(1か月・税抜)
下水道使用料は、下水道条例に基づき、汚水の排出量に応じて計算されます。市のお知らせに載っている単価表(1か月・税抜)は、次のとおりです。
| 汚水排出量(㎥/月) | 現行(〜2026年9月) | 新料金(2026年10月〜) | 改定額 |
|---|---|---|---|
| 〜10(基本使用料・定額) | 600円 | 750円 | 150円 |
| 11〜20(1㎥につき) | 67円 | 87円 | 20円 |
| 21〜30(同) | 91円 | 114円 | 23円 |
| 31〜100(同) | 118円 | 146円 | 28円 |
| 101〜200(同) | 145円 | 177円 | 32円 |
| 201〜1,000(同) | 168円 | 203円 | 35円 |
| 1,001〜5,000(同) | 199円 | 232円 | 33円 |
| 5,001〜(同) | 237円 | 265円 | 28円 |
基本使用料は、排出量の有無にかかわらずかかる定額の使用料です。札幌市では、10㎥/月までは基本使用料のみで、従量使用料はかかりません。従量使用料は、排出量1㎥あたりの単価に排出量をかけて計算します。
2か月分で計算するときは、市の計算例の表に置き換えます。新料金の2か月分の単価は、0〜20㎥が1,500円、21〜40㎥が1㎥あたり87円、41〜60㎥が114円、61〜200㎥が146円、201〜400㎥が177円、401〜2,000㎥が203円、2,001〜10,000㎥が232円、10,001㎥以上が265円です(税抜)。

世帯人数ごとの例: 1人世帯330円増、4人世帯922円増(2か月・税込)
市のお知らせには、標準的な世帯人数ごとの、上下水道料金(2か月分、税込)の例が載っています。使用水量は、東京都の「令和2年度 生活用水実態調査」の平均使用水量をもとにしたものと、市が注記しています。家事用の水道料金は、改定の前後で変わりません。
| 世帯 | 使用水量(2か月) | 改定前の合計 | 改定後の合計 | 増加額(増加率) | 下水道使用料の前→後 | 水道料金 |
|---|---|---|---|---|---|---|
| 1人 | 16㎥ | 4,224円 | 4,554円 | 330円(+7.8%) | 1,320円→1,650円 | 2,904円 |
| 2人 | 30㎥ | 7,161円 | 7,711円 | 550円(+7.7%) | 2,057円→2,607円 | 5,104円 |
| 3人 | 40㎥ | 10,098円 | 10,868円 | 770円(+7.6%) | 2,794円→3,564円 | 7,304円 |
| 4人 | 46㎥ | 12,216円 | 13,138円 | 922円(+7.5%) | 3,394円→4,316円 | 8,822円 |
| 5人 | 56㎥ | 15,747円 | 16,922円 | 1,175円(+7.5%) | 4,395円→5,570円 | 11,352円 |
| 事業所(水道の口径100mm、家事用以外) | 10,000㎥ | 6,334,548円 | 6,699,176円 | 364,628円(+5.8%) | 2,101,748円→2,466,376円 | 4,232,800円 |
これは市が例として示した世帯・事業所の金額です。ほかの使用量の場合は、下の早見表か、市が用意している計算表で確認します。
早見表: 家事用・口径25mm以下の2か月分(税込、水道料金込み)
市のお知らせには、2か月分の上下水道料金の早見表があります。抜粋は次のとおりです。
| 水量(㎥/2か月) | 改定前 | 改定後 | 増加額 |
|---|---|---|---|
| 0〜20 | 4,224円 | 4,554円 | 330円 |
| 25 | 5,398円 | 5,816円 | 418円 |
| 30 | 7,161円 | 7,711円 | 550円 |
| 35 | 8,629円 | 9,289円 | 660円 |
| 40 | 10,098円 | 10,868円 | 770円 |
| 46 | 12,216円 | 13,138円 | 922円 |
| 50 | 13,629円 | 14,652円 | 1,023円 |
| 56 | 15,747円 | 16,922円 | 1,175円 |
| 60 | 17,160円 | 18,436円 | 1,276円 |
この早見表が使えるのは、使用量が60㎥以下、水道料金が家事用、水道使用量と汚水排出量が同量のときです。それ以外の人や、毎月検針の人は、市の「早見表」または「計算表」を見るよう、お知らせに書かれています。
計算例: 2か月で56㎥使った場合は5,570円
市の計算例(2か月分・新料金・税込)は、次のとおりです。
| 排出量の区分 | 計算 | 金額 |
|---|---|---|
| 0〜20㎥ | 基本使用料 | 1,500円 |
| 21〜40㎥ | 20㎥ × 87円 | 1,740円 |
| 41〜60㎥ | 16㎥ × 114円 | 1,824円 |
| 小計 | 5,064円 | |
| 消費税 | 506円 | |
| 合計 | 5,570円 |
下水道使用料の確認方法として、市は、水道の検針時に投函される「札幌市上下水道料金等のお知らせ」の、下水道の「汚水排出量」と「下水道使用料」を見るよう案内しています。
市が説明する値上げの理由
市のお知らせによると、下水道事業は、経営の合理化を進めながら、約30年間使用料を据え置いてきました。一方で、物価高騰などの影響で、維持管理費が直近10年間で33%増えたと、市は説明しています。
- 使用料収入は、前回改定した平成9年(1997年)の220億円から、令和5年(2023年)の195億円まで25億円減ったとされています。家事用は人口の10%増加で13億円増えた一方、業務用は件数・排出量ともに減り、38億円減ったとしています
- 前回改定時から、職員数を683人から459人へ224人(33%)減らし、人件費は68億円から35億円へ33億円(49%)減らしたと、市は書いています
- 札幌市の下水道は大正15年(1926年)に事業を始め、現在は普及率99.8%、管路延長約8,300km、水再生プラザ等の処理施設が30か所です
- 昭和47年(1972年)の札幌冬季オリンピック開催を契機に集中的に整備を進めたため、今後は老朽化した施設への対応が急増すると、市は説明しています
市税を投入すれば改定は不要ではないか、という問いには、Q&Aで、下水道事業は地方公営企業法に基づき、事業に必要な経費は経営に伴う収入でまかなう独立採算制が原則であり、汚水の処理経費は汚水を出した使用者に起因するため、下水道使用料でまかなうと答えています。
料金体系の変更: 逓増度は3.95から3.53へ、基本水量制は維持
使用料の単価が、排出量が多くなるほど高くなる仕組みを、逓増制といいます。市のQ&Aによると、札幌市では昭和51年(1976年)に導入され、直近の逓増度は3.95でした。新しい使用料体系では、逓増度を3.95から3.53へ引き下げたと書かれています。
審議会の答申にあった「基本水量制の廃止」については、少量使用者にとって過度な負担とならないよう配慮するなどの理由により、今回の改定では基本水量制を維持し、廃止は見送ったと、市は書いています。
他の都市との比較(市の図): 改定後も道内市で最も安い
市のQ&Aには、札幌市の下水道使用料は、月20㎥使用の場合で、21大都市(政令市と東京都)の中で2番目に低く、道内市では最も低かったとあります。改定後は、21大都市の中では3番目に低く、道内市では最も低いままです。
市の比較図では、月20㎥使用の札幌市は、現行1,397円、改定後1,782円です。21大都市の平均は2,251円、道内市の平均は3,688円と示されています。

次の改定はあるのか
市のQ&Aによると、今回の使用料算定期間である令和11年度(2029年度)までは、収支の均衡と経費回収率100%を維持できる見込みです。一方で、令和7年(2025年)12月時点の試算では、令和12年度(2030年度)以降の収支見通しは非常に厳しいとされ、使用料の改定の必要性や時期を見極めていくと書かれています。次の改定の要否や時期は、決まっていません。
問い合わせ先
札幌市は、下水道使用料改定コールセンター(電話011-206-0282、受付時間は8:45〜17:15、土日祝日と12月29日〜1月3日を除く)を案内しています。担当部署は、札幌市下水道河川局経営管理部経営企画課(電話011-818-3452)です。電話番号は、上記の札幌市の下水道使用料改定のお知らせのページに載っている番号です。

情報源
- 札幌市下水道河川局「下水道使用料改定のお知らせ」(2026年8月4日更新): https://www.city.sapporo.jp/gesui/kaitei2026.html(適用日・経過措置・単価表・世帯例・早見表・計算例・都市比較・Q&A・問い合わせ先。表の金額は同ページの画像を目で読んで書いています)
同じ10/1に変わる暮らしの決まりとして、札幌市のごみ出しは10/1収集分から指定袋に戻るの記事に、指定ごみ袋の価格と購入の決まりをまとめています。
札幌市内のほかの暮らし・料金・催し・開店・閉店の情報は、札幌市の記事一覧にあります。
アイキャッチ写真: 写真は札幌市の豊平川(イメージ)。下水道施設の写真ではありません。撮影 MIKI Yoshihito/Wikimedia Commons/CC BY 2.0(文字を加工)
